Noel Gallagher’s High Flying Birds@TOKYO DOME CITY HALL
2012年、年明け初めてのライブレポートは、
ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズの来日公演の模様をお届けする。ご存じ、元
オアシスのギターリストで、シンガーソングライターだ。
オアシス解散後、バンドの中心人物である
ノエルのソロ活動に注目が集まったが、解散後、ほぼメディアの露出がなかったのである。世界中のファンが、
ノエルのソロ活動を待ち望む中、遂に昨年の10月、ソロ・デビューアルバム
『Noel Gallagher’s High Flying Birds』をリリースし、日本来日公演も決定した。筆者が生で
ノエルを観たのは2009年
オアシスの幕張メッセでの公演以来、約3年ぶりとなる。
そしてライブ当日、朝目覚めたときに何故だか、とても不思議な気持ちになった。
ノエルの来日を待ち望みすぎたせいか、なんだか落ち着かない気分である。そのまま会場へ向かう準備をして、自宅を出発!会場は
東京ドーム・シティ・ ホールだ。初めていく会場のため、座席や音響設備などを気にしながら、16時少し過ぎに会場に到着。グッズ販売が16時からのため、会場の外は
ノエルのグッズをもとめるファンの行列が出来ていた。
(画像提供:Sony Music Japan International/photo by Mitch Ikeda)
グッズ購入後、近場で開場時間がくるまで待つことにした。今回の公演で
ノエルが特別な1曲を披露するという情報が出ていたため、その曲について考えていると、すぐに開場時間が迫ってくる。急ぎ足で会場に戻り、バルコニー席の列へと並ぶ。凍える寒さのなか
「第一バルコニーの方は~」とスタッフが誘導し、会場内へ入場!座席に向かう途中
「Noel Gallagher’s High Flying Birds日本武道館」の文字が目に入った。一瞬頭が真っ白になったが、逸る気持ちを抑えて、近くにあった告知のチラシを手にとり、座席で落ち着いてみることにした。
とてもレトロな雰囲気の会場で、まるで劇場のような作りである。座席もステージが観やすいため安心しながら、先ほどの日本武道館の告知チラシを眺める。開演時間が近づきアリーナ席を見ると、窮屈な様子が伝わってくるほど、オーディエンスの姿でいっぱいだ。アリーナ席、バルコニー席どちらからも、抑えられない興奮と熱気が伝わってくる。
19時過ぎたころ、会場内の照明が落とされ、遂にステージに
ノエル・ギャラガーとサポートメンバーが登場!会場内から奇声に近い大歓声と拍手がわき上がった。そして
ノエルが静かにギターを持ち
「ハロー」とつぶやくと、1曲目は、
オアシス時代の楽曲
「(It’s Good) To Be Free」の演奏が始まった。この公演で
オアシス時代の楽曲を演奏することは、もちろん知っていたが、実際、こうして生で
ノエルの歌声を聴いていること自体が夢のようだ。アコギの音と
ノエルの歌声に陶酔しながら1曲目が終了。そして、ギターをチェンジした
ノエルが次に披露したのは
「Mucky Fingers」だ。地響きを感じるリズムとサウンドが特徴的な楽曲であるが、懐かしさと嬉しさが同時に込み上げてきて、胸が熱くなった。
(画像提供:Sony Music Japan International/photo by Mitch Ikeda)
続く3曲目は
「Everybody’s On The Run」の演奏がスタート!繊細なキーボードのサウンドに
ノエルの力強い歌声が響く。いつの間にか、音響の心配をしていたことすら吹き飛んでいた。そして4曲目は
「Dream On」を披露。刻むようなリズムが心地いい。やはり
ノエルの楽曲は、自然と一緒に歌いたくなってしまう。メロディーがいいとか、歌詞がいいとか、そういう分かりきったことじゃない。自然に、無意識に口ずさんでしまう。人を惹きつけてしまう不思議な魅力を持っているのだ。そして
「Dream On」の演奏が終わり、
ノエルが
「東京に戻ってこれて嬉しい」と伝えると、オーディエンスから大歓声と拍手、様々な掛け声が飛び交った。みんなの熱い思いがステージに寄せられる。
さらに
「If I Had A Gun」、
「The Good Rebel」など、ソロ・デビューアルバムの楽曲と新曲を披露。演奏が終わるごとに、
ノエルに向かってオーディエンスから投げつけられる掛け声が鳴り止まない。女性ファンの声もあったが、とくに男性ファンからの歓声が凄まじい。第一バルコニーで観賞していた筆者のまわりの席では、この歓声に対して
「すごいなぁ~!」と笑みがこぼれていた。続いて、アコースティック・ギターに持ち替えた
ノエルが披露した楽曲は、アコギバージョンの
「Wonderwall」と
「Supersonic」である。どちらもファンが待ち望んでいた楽曲だ。
ノエルと共に大合唱する歌声が会場中に響き渡ると、歓喜溢れる思いに酔いしれてしまった。
ライブ中盤で、12曲目
「AKA... What a Life!」が演奏された。
ノエルのソロアルバムの中で、唯一のダンス・ロック・ナンバーである。この楽曲をどのようにアレンジするのか気になっていたが、流れるようなメロディーと歪んだギターサウンドは、ダンスというより、ロックンロールを強く感じる仕上がりとなっていた。その後、
「Talk Tonight」、
「Solider Boys & Jesus Freaks」などが披露されていく。個人的には
「Half The World Away」を生で聴けたことが何より嬉しい。サビの部分で、タッタッと手拍子をする、あの瞬間の一体感は格別である。そしてラストは
「Stranded On The Wrong Beach」を披露し、
ノエルがステージを降りていった。誰もがこれで終わるはずがないという気持ちで、会場内がアンコールを煽る拍手で包まれた。
(画像提供:Sony Music Japan International/photo by Mitch Ikeda)
5分ほど経過したころ、再び
ノエルとサポートメンバーがステージに登場し、
ノエルが
「フォー・ジャパニーズ・ファン・オンリー」とつぶやいてから
「Whatever」の演奏が始まった。
「オォォ~!」や
「キャア~!」という雄叫びや歓声が溢れだす。日本で絶大な人気を誇る楽曲で興奮しないはずもなく、やはりここでも大合唱の嵐だ。それから
「Little By Little」、
「The Importance Of Being Idle」を立て続けに演奏し、アンコールラストはお約束の
「Don’t Look Back In Anger」。演奏が始まると、再び歓声と歌声が入り混じり、オーディエンスの大大大合唱が始まる。両手を上げ、みんなが笑顔で歌い出す。会場内が幸福感で満たされ、強い熱気を帯びたままラスト曲が終了!大歓声と拍手が鳴り止まない。
ノエルもステージからオーディエンスに向かって拍手を送ったあと、静かにステージを去っていった。
あの魔法みたいな空間と時間を作り出せるのは、
ノエル・ギャラガーしかいない。音楽に国境がないことを改めて実感できた夜だった。
(成田 早那)
Noel Gallagher’s High Flying Birds @TOKYO DOME CITY HALL 2012/1/16(月)-セットリスト-
1.(It’s Good) To Be Free
2.Mucky Fingers
3.Everybody’s On The Run
4.Dream On
5.If I Had A Gun
6.The Good Rebel
7.The Death Of You And Me
8.Freaky Teeth (新曲)
9.Wonderwall (acoustic)
10.Supersonic (acoustic)
11.Record Machine
12.What A Life
13.Talk Tonight
14.Solider Boys & Jesus Freaks
15.Broken Arrow
16.Half The World Away
17.Stranded On The Wrong Beach
-アンコール-
1.Whatever
2.Little By Little
3.The Importance Of Being Idle
4.Don’t Look Back In Anger
Noel Gallagher's High Flying Birds
5月には武道館含む再来日公演が決定!
今年5月に武道館を含むJAPAN TOURが決定!
98年のOASIS武道館公演以来、
14年ぶりにノエルが武道館に立つ!
■東京 5/23(水) 日本武道館
Open18:00/Start19:00 主催:テレビ朝日/J-WAVE/INTER FM
¥8,500(全席指定S席)仮:¥8,000(SIDE VIEW SEAT)
Info: 03-3444-6751(SMASH)/03-5720-9999(HOT STUFF)
■名古屋5/24(木) 愛知県芸術劇場大ホール
Open18:00/Start19:00 主催:ZIP FM
¥8,500(全席指定)
Info: 052-936-6041(JAIL HOUSE)
■大阪 5/26(土) 大阪市中央体育館
Open17:00/Start18:00 主催:FM 802
¥8,500(全席指定)
Info: 06-6535-5569(SMASH WEST)/06-6882-1224
企画制作:SMASH/DOOBIE
「Noel Gallagher’s High Flying Birds公式HP」