元HELLOWEENの重鎮が時を越え再びタッグを!
元HELLOWEENの中心人物であった2人が時を越え、再びタッグを組んだ。
マイケル・キスク と
カイ・ハンセン の新バンド『
UNISONIC 』デビュー・アルバム【
UNISONIC 】の発売に合わせたプロモーション来日が決定。
インストア・イベントも行われる 事が発表された。
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この機会に
マイケル・キスク の道程と
ジャーマンメタル を改めて振り返ってみよう。今から20年程前、メタルシーンでは
ジャーマンメタル ブームが起こった。昨今のメロデスブームに近いモノと考えて頂きたい。大きい意味での
ジャーマンメタル は有名所だと
スコーピオンズやアクセプト、マイケル・シェンカー 。ジャーマンロックになると
カンやルシファーズ・フレンド といった処まで遡るが、今回はあくまで
ジャーマンメタル に限定してみたい。
ジャーマンメタル
90年代前半に
HELLOWEEN や
GAMMA RAY を筆頭に
BLIND GUARDIAN や
HEAVENS GATE が人気を博した。また、パワーメタル拠りだった
THUNDERHEAD や
RAGE なども活躍していた。
ジャーマンメタル に影響された各国のメタルバンドも近い音楽性の楽曲を発表。日本では
X-JAPAN を始め様々なバンドが大きく影響を受け、その恩恵に与っていたのは間違い無い。メタル界では
VIPER が
HELLOWEEN に続く新生代の
ジャーマンメタル だと人気を集めた。(彼等はブラジル人なので、この時点で
ジャーマンメタル のカテゴリーは崩壊を始めていた)メンバー間の音楽性の違いから
VIPER は分裂。ヴォーカリストのアンドレ・マトスが新たに組んだバンドこそが、あのメロスピの祖とも称される
ANGRA であった。その完成された世界観やクラシックを内包した楽曲はスピードメタルを好むメタラーを完全に虜にした。そういったシーンの動向もあり、この時点で
ジャーマンメタル と言った言葉は殺されたも同然で、その後、シーンを活性化させた
ANGRA や
STRATOVARIUS といったバンドが
メロディックスピードメタル と呼ばれ始め、完全にジャンルの名称が変わってしまった。今では通じない事の方が多い悲しいジャンル名称、それが
ジャーマンメタル である…。
さて、
ジャーマンメタル の代表的なバンドで、やはり一番知名度があるのは
HELLOWEEN であるが、彼等は正に〔
速いBPM・ツインリード・高い歌声 〕を体言していたのだが、
カイ・ハンセン の脱退に始まり、ヴォーカリストである
マイケル・キスク の好む音楽性が変わっていった事が大きくバンドに影響し、
キスク 在籍時ラストアルバムとなった93年の『
Chameleon 』収録曲には所謂
ジャーマンメタル 曲は無し。ホーンセクションを導入した曲やパワーバラードにミドルテンポな楽曲等々。決して悪い作品では無かったモノのメタラーからの評価は酷いモノだった。バンドは
キスク と袂を分け、後任に
PINK CREAM 69 のヴォーカルであるアンディ・デリスを向かえ
HELLOWEEN としての方向性を戻すべく
メロディックスピードメタル な楽曲を打ち出していく事に。
キスケの苦悩と解放
HELLOWEEN を脱退し自由を手に入れた
キスク だが元々実力者でもあり人格者でもあったため、多方面からの様々なアプローチを受ける。
カイ・ハンセン の
GAMMA RAY にゲスト参加後、ソロアルバムを2枚製作。1作目には
キスク が憧れ続けていたバンド、
IRON MAIDEN のエイドリアン・スミスが参加したりと話題になったが、両作品共にHM/HRという音作りでは無く、ROCK/POPSよりな楽曲と彼の伸びやかな歌声を楽しむ自由な作風であった。メタルサイドのマスコミからは余り良い評価を得られなかった事がメタル界に対するネガティブなイメージを
キスク に植え付けた事は間違無く、メタルへの批判的な意見を口にするインタヴューも目に付いた。
2001年、
EDGUY のトビアス・サメットのメタルオペラ
AVANTASIA に参加。この活動が未来に大きな影響を齎すとは誰も思ってもいなかった。2003年には新たなバンド
Supared を結成しアルバムをリリース。打ち込みを取り入れたり、ミドルでヘヴィ目なサウンドの割りに芯がPOPなロックンロール曲が多いのが面白い。売り上げ的には失敗だったが、このアルバムのファンは意外と多かったりする。
脱退後もいつまで経っても
HELLOWEEN の影が付き纏う事に嫌気が差したキスクは「HM/HRシーンからの完全引退」をブチ上げて、ファンを落胆させてしまう。2年の沈黙後、イタリアの某レコード会社社長が
キスク にHRを歌わせる為のプロジェクトとして
PINK CREAM 69 の
デニス・ワード 等と共に
Place Vendome というプロジェクトを立ち上げる。この社長は同じ様なプロジェクトとして
ジョー・リンターナ の再生にも大きく尽力している。「音楽性はHRじゃない」と誘われ歌う事になった
キスク 。いざアルバムが出来上がってみたら「HRじゃないか!?」と、軽く騙されてた事にちょっとご立腹だったそうだが、久々のレコーディングや音楽製作の場が楽しかったという理由でHM/HR界にカムバックしてしまう。
翌年には3作目のソロアルバム『
Kiske 』を製作。AORに近いそのサウンドは癒し系と言っても良いかもしれない。天気の良い日の午後、お昼寝をしながら聴くと最高の傑作だ。その後、
Place Vendome の2nd製作にも前向きに着手。『
Streets Of Fire 』は
HELLOWEEN 時以来のHRかつPOPな快作となりました。この声を聴いて感動した人は多い筈…歌詞の通り、彼の才能を信じて再起を待ちわびたファンには本作は宝物の様なアルバムになっている。
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完全復活した
マイケル・キスク 。ファンは前向きな活動にかなり喜んでいた。
スーパーバンドUNISONIC誕生
2009年、
Place Vendome は新バンド
UNISONIC へと進化。イニシアチブを取っているのは
デニス と
キスク の2人。勢力的に楽曲製作やライヴ活動を開始し、ライヴでは
HELLOWEEN の楽曲などもカヴァーされていた。
UNISONIC としての活動をしながらもトビアスのメタルオペラ
AVANTASIA のツアーに参加し日本にも来日。実はそのツアー中にメタル系のライヴの感覚を取り戻したりメタルへのネガティブなイメージを解していったとのこと。
そして、同じくツアーに参加していた盟友
カイ・ハンセン 。彼とまた一緒にバンドを組みたくなった。「
GAMMA RAY に加入しないか?」と誘われた
キスク 、「
GAMMA RAY はメタル過ぎるから…」と断るが、
キスク は「
UNISONIC にギタリストとして入るべきじゃない?」と逆に切り出す。実は二人はかなりの仲良しで
HELLOWEEN 時代にも蟠りは一切無く、むしろ
キスク にとっては
カイ がいた時代は楽しかった思い出ばかりだったとのこと。
こうして考えると
GAMMA RAY のアルバム『
TO THE METAL 』に
キスク をゲスト参加させたのも、
カイ のアプローチの一環だったのかもしれない。そんな流れで、遂に最強メンバーとなった
UNISONIC 。
キスク 曰く「
デニス のAORぽいサウンドと
カイ のメロディックパワーメタルの融合」といった新しいサウンドが聴けるバンドにレベルアップしたと自負しているとのこと。何度かステージを重ね、サウンドもしっかりと固まってきた最高の状態で、
LOUD PARK 2011 へ出演する為に来日。何とライヴでは
HELLOWEEN の名曲「「A Little Time」「Future World」「I Want Out」をプレイするという嬉しいサプライズと、バンドとしての実力を客に見せ付け一気にトップバンドへと返り咲く事に成功した。
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LOUD PARK 2011 での伝説となった「
I Want Out 」のライヴ音源は、先行EP『
Ignition 』に収録されている。
その勢いのままレコーディングへと突入し、デビュー・アルバム『UNISONIC』が完成。3月21日にリリースされる。
(画像はAmazonより)
HELLOWEEN を越える強力なサウンド。是非、過去に
ジャーマンメタル ファンだった人にも聴いて欲しい1枚だ。
インストア・イベントの参加方法など詳細はAVALON online.で各自チェックしてほしい。
インストア・イベントは3月24日(土)に、ディスクユニオンお茶の水ハードロック/ヘヴィメタル館とタワーレコード新宿店 7F イベントスペースで予定されており、いずれもサイン&握手会となる予定。 ●ディスクユニオンお茶の水ハードロック/ヘヴィメタル館 日時: 3月24日(土) 15時〜(18時終了予定) 内容: サイン握手会 参加条件: ディスクユニオンお茶の水ハードロック/ヘヴィメタル館にて、 3月21日発売「ユニソニック」(MICP-11040)をお買い上げの方に先着で参加券を差し上げます。 お問い合わせ: ディスクユニオンお茶の水ハードロック/ヘヴィメタル館 TEL: 03-3219-5781 WEB: http://blog-ocha-metal.diskunion.net/ ●タワーレコード新宿店 7F イベントスペース 日時: 3月24日(土) 21時〜 内容: サイン握手会 参加条件: タワーレコード新宿店、タワーレコード渋谷店、タワーレコード秋葉原店にて、 3月21日発売「ユニソニック」(MICP-11040)をお買い上げの方に先着で参加券を差し上げます。 お問い合わせ: タワーレコード新宿店 TEL: 03-5360-7811 (11時〜23時)
UNISONIC 公式サイト UNISONIC MySpace AVALON online. UNISONIC Amazon.co.jp : UNISONIC に関連する商品 Amazon.co.jp : マイケル・キスク に関連する商品