4年ぶりのニューアルバム
パンク旋風冷めやらぬ1979年の英国に、ブリストルから登場したバンド、
ザ・ポップ・グループ。この、あからかさまに皮肉を込めた名前を持つバンドで、ファンクやダブ、フリージャズの要素が入り時混じった先鋭的なサウンドをバックに咆哮していたボーカリストが
マーク・スチュワートだ。
(画像はマーク・スチュワート公式サイトより)
バンド解散後、よりヒップホップやインダストリアル、テクノの色合いを濃くしたサウンドで活動を続けてきた彼が、約4年ぶりとなるニューアルバム『
The Politics of Envy(
ザ・ポリティックス・オブ・エンヴィー)』をリリースした(日本盤3月21日、海外盤3月26日発売)。
(画像はAmazon.co.jpより)
ゲストに多数のポスト・パンク勢
この新作のプロデューサーとしてマーク自身に加えて名を連ねているのが元
キリング・ジョークの
ユース。そして曲ごとに迎えているゲスト陣には、
キース・レヴィン(
PIL)、
テッサ・ポリット(
スリッツ)、
ジナ・バーチ(
レインコーツ)といった名前がみられ、さらに日本盤CDには、
デヴィッド・チベット(
カレント93)や
イヴ・リヴァティーン(
クラス)、
ダン・カトゥシス(
ザ・ポップ・グループほか)とタッグを組んだ曲が収録されている。このように、このアルバムは
ザ・ポップ・グループとともに1980年前後の英国を賑わせた
パンク、ポスト・パンク世代の面々が大集結しているのだ。
肝心の内容の方だが、一聴して感じたのは“未だ現役感覚衰えず”ということ。以前に比べれば、かなりダンスミュージック寄りで聴きやすくなってはいるが、ノイジーなギターやダブ処理されたリズムなど、十分刺激的なサウンドが味わえる。上記メンツのほか、
プライマル・スクリームや
ダディ・G(
マッシブ・アタック)といった現役世代との共演も話題となっているこの新譜。かつての
ポスト・パンク~ニューウェイブ勢好きの方々だけでなく、若いロックリスナーも楽しめる作品となっているのではないだろうか。
(プライマルスクリームと共演したアルバム先行シングル「Autonomia」PV)
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