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【ライヴ・レポート】曽我部恵一BAND@福岡KIETH FLACK

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【ライヴ・レポート】曽我部恵一BAND@福岡KIETH FLACK

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2012年4月15日

OPENは17:30、STARTは18:30。スタート時間になっても、入口付近はまだ列ができている。中に入ると、フロアは超満員。200人も入ればいっぱいになる規模のKIETH FLACKは、フロアがステージと同じ幅で縦長になっており、後方にドリンクを受け取るカウンターと入口がある。スタート予定時間から15分ほど過ぎて、曽我部恵一BANDが登場。楽屋は入口付近にあり、フロアを通らないとステージには行けない。メンバーがフロアを通過する時、驚きの声と共に歓声が上がった。ステージに立った後、特にMCもなくそのままスタートした。

曽我部恵一BAND

(画像は曽我部恵一LIVEブログより)

今回のツアーはアルバムのリリースに帯同するツアーで、演奏曲も新しいアルバムの曲と過去の曲、ライヴ常連曲を織り交ぜていた。これまでの曽我部恵一BANDと言えば、恋愛や青春にスポットを当てた歌詞を、ロックンロールで語り尽くすのが信条。しかし新しいアルバムは、人生を映し出す内容を盛り込むなど、歌詞の面で大幅な変化がある。ロックンロールやミディアム・テンポ、スローな曲とサウンド的にはこれまでの延長線上であるため、素通りしてしまいそうになる。しかし、ライヴで“街の冬”を聴けば、歌詞の意味が心の内側にグッと入り込んでくる。この感覚は、これまでの曽我部恵一BANDのライヴでは味わったことのない感覚だ。これぞまさしく人間愛。同じ愛でも、恋愛と人間愛では対象と規模が大きく違う。曽我部の人間らしさが垣間見える瞬間が、今回のライヴには存在していた。

曽我部恵一BAND

(画像は曽我部恵一LIVEブログより)


中盤に盛り上がりを見せたのが、“青春狂想曲”。曲の始まりの合唱は、フロアからももちろん起こる。前半は新曲が多かったために、フロアも少し静かだった。しかしこの曲で、息を吹き返したかのようにフロアが反応した。特に前方はジャンプや突きあげられた拳で埋め尽くされた。他にも“キラキラ”や“天使”、“シモーヌ”ではライヴの定番曲にふさわしく、フロアの反応も上々だった。やはり曽我部恵一BANDは恋愛や青春が良く似合う。集まった観客の顔も、笑顔がさわやかで一点の濁りもない。おそらく曽我部恵一BANDの曲に彼らの恋愛や青春を照らし合わせているのだろう。曽我部恵一BANDは彼らにとって、人生の代弁者なのかもしれない。

曽我部恵一BAND

(画像は曽我部恵一LIVEブログより)

ライヴはほとんどMCを挿まずに終盤まで進む。最後の曲となった“魔法のバスに乗って”は、ライヴ・アルバム『トキメキLIVE!』でもアンコール前に収録されている名曲だ。ミディアム・テンポで希望に満ちたリフが印象的なこの曲の特徴が生きるのは、やはりアンコール前の最後しかない。これまでのライヴでもこの位置を何度となく務めてきた。今回のライヴでも、会場の雰囲気を見事に着地させることに成功した。メンバーは観客のいるフロアを再び通過して、いったん下がった。

5分後、メンバーは三度フロアを通ってステージへ。アンコールが始まった。アンコールは曽我部恵一BANDの代表曲である“STARS”。メロディーも歌詞も、青春や未来への希望を見事に表現しており、フロアの雰囲気を一変させるとてつもないエネルギーを秘めた曲だ。この曲を聴くために、足を運んだ観客も少なくないはず。それはフロアの反応で瞬時に理解できる。“STARS”終了後、曽我部がマイクを通さず地声で語り出した。今日集まった観客に対する感謝、今日のライヴに対する思いを一人一人に語りかけるように話す。その様は、まさしく人間愛。“街の冬”を聴いたときと同じ感覚が再び蘇る。これまでの曽我部恵一BANDのライヴは、楽しいばかりが先行していた。しかし今回のライヴは、人生の深み、渋みについて考えさせられる瞬間も確かに存在していた。過去のライヴとは奥行きが明らかに違う。彼らの新境地を感じさせるステージであったことは、多くの観客が感じたことだろう。アンコール最後の曲となった“mellow mind”も、マイクを通さずに歌う曽我部の声が心の奥に染み入る、感慨深いものとなった。KIETH FLACKの音響と曽我部の声量という条件がうまく噛み合ったという事実も、ライヴの感動に直結する重要なファクターだったことを最後に伝えておきたい。

(松本 良太)

外部リンク

曽我部恵一 オフィシャルサイト
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