2012年リリース
1曲目を再生した瞬間、リトル・ウィリーズらしいカントリー・サウンドに懐かしさと嬉しさが同時に生まれた。これだ、これだよ!思わずそう言ってしまいたくなるほど、6年前と変わらない音を届けてくれた。世の中は絶えず変化していくけれど、変わらないことが良いことだってある。リトル・ウィリーズは、まさしく後者だ。
(画像はAmazonより)
前作同様、今回も過去の名曲のカヴァーを中心に収録している。今回は5曲目の“Tommy Rockwood”以外は全てカヴァー曲だ。バンド名の由来となったウィリー・ネルソンのカヴァーはもちろん、ジョニー・キャッシュの“Wide Open Road”やレフティ・フリゼルの“If You’ve Got The Money I’ve Got The Time”など、カントリーの真髄に迫る選曲。当時の雰囲気に近づけながらも、現代のサウンドでしっかりとまとめており、見事な温故知新を実現している。バンド・メンバーも前作と全く変わっておらず、6年ぶりとはいえ絶妙のチーム・ワークから生まれる音はやはり心地良い。ノラ自身もメンバーのことをちょっとした家族のようだと語っているように、バンド内に漂う柔らかい空気感は作品から伝わってくる。
期待していたものが、期待通りであった時の幸せ。日常を彩るちょっとした充足感が、このアルバムの中に詰まっている。
(松本 良太)
収録曲
1.I Worship You
2.Remember Me
3.Diesel Smoke,dangerous Curves
4.Lovesick Blues
5.Tommy Rockwood
6.Fist City
7.Permanently Lonely
8.Foul Owl On The Prowl
9.Wide Open Road
10.For The Good Times
11.If You've Got The Money I've Got The Time
12.Jolene
13.Delia's Gone(Bonus Track)