2011年リリース
cosmos hippieの音に初めて触れた時は、ブルースに近い雰囲気を感じていた。このアルバムを一通り聴いた後、ブルースに留まらない彼らの領域の広さに、深い感銘を受けた。韓国のインディーズ・ミュージックは、本当にカラフルだ。その色の多さは、日本のインディーズの裾野の広さとあまり変わらないのではないか、そう思えた。
(画像はAmazonより)
機材の力や録音技術に頼るというよりは、ソングライティングやバンド・アレンジを追求し、自分たちの実力を信じて創り上げた作品だ。それは彼らのCDを聴けば瞬時に理解できる。生音ライヴに近い、楽器そのものの音を音源に詰め込んでいて、彼らの特徴である土臭さや埃っぽさの中に、隠し味程度の安心感がある。ソフト・ロックのようなお洒落なメロディーを持ち合わせているかと思えば、ブルージーなヴォーカルを披露する時もあり、レゲエの要素を感じる曲もある。種々のルーツを絶妙のタイミングで引き出し、彼らのサウンドで料理している。曲により感じるルーツは違えど、彼らの懐古的なサウンドがアルバム全体を架け橋のように繋いでいる。古きを温め、しっかりと敬意を払った上で、新しきを知る。ルーツ・ミュージックは宝の山だということを、体現しているのが彼らだ。
10cmのクォン・ジョンヨルを迎えた“私たち(우리)”は、まさに彼らの温故知新の結晶。K-POPとは違ったベクトルを求めているならば、cosmos hippieは欠かせない存在。
(松本 良太)
収録曲
01. 有機農パプリカ
02. On Your Side
03. Show Me
04. Rain
05. 1.2.3
06. 私たち (feat. クォン・ジョンヨル of 10cm)
07. 一日は
08. Iwanttoreal
09. 聞いてみて
10. 何か言って
11. これからは
12. 振り向く
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