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2024年04月29日(月)
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【オトれぽ】ライブレポートNo.19 METAMORPHOSE SPRING 12

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【オトれぽ】ライブレポートNo.19 METAMORPHOSE SPRING 12

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5月12日(土)METAMORPHOSE SPRING 12@幕張メッセ国際展示場9・10・11ホール


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(画像提供:metamorphose office/photo by 青木勇策)

昨年は、台風の影響により、開催中止となってしまったMETAMORPHOSE 2011。今年はMETAMORPHOSE SPRING 12として、幕張メッセ国際展示場にて開催されることに。ラインナップには、ヘッド・ライナーのザ・フレーミング・リップスと、8年ぶりとなる最新作『Wonky』を発表し、完全復活を遂げたオービタル。そして、ダブ界の第一人者であるエイドリアン・シャーウッドや、元アンダー・ワールドのダレン・エマーソンティム・デラックスが、DJ師弟対決という、なんともゴージャスなメンツが勢揃い!

いつもの事ながら、タイム・テーブルを確認!今回、Jupiter Stage (ライブステージ)と、Sirius Stage (DJステージ)の2ブース構成。Jupiter Stageが10時開演で21時終了のライブステージで、Sirius Stageは、10時開演でオールナイト公演である。かなり悩んだ末、やはり翌日の朝まで会場にいること決意し、少し遅めに幕張メッセに到着。

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(画像提供:metamorphose office/photo by Ryo Nakajima (SyncThings) )

早速、幕張メッセ国際展示場9・10・11ホールへと向かう。入口である10番ホールから入場し、オービタルのステージを観賞するため、Jupiter Stageがある9番ホールに入場!今年の3月に8年ぶりとなる最新作『Wonky』をリリース!彼ら特有のキラキラとしたメロディックな楽曲から、ダブステップの要素も取り入れた楽曲などが収録されており、懐かしさと新しさを感じ取ることができる内容で、まさに「おかえりなさい!」と言ってしまいたくなるほどの最高傑作だ。2010年のサマソニ以来、約2年ぶりに彼等のステージを堪能できるとあって、期待に胸を膨らませながら、最前列でライブを観賞することにする。ステージ上では、機材などのセッティングが開始され、次々と設置されていく。

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(画像提供:metamorphose office/photo by 青木勇策 )

ここで気になったのが、機材の前に三角形の大きなLEDモニターが設置されたのだが、今迄、オービタルのステージで、こういったLEDモニターが設置されたことはなかった。一体、どんなステージを披露してくれるのか期待感が募り出す。そして、開演予定時間から、10分程過ぎた頃、会場内の照明が暗転!遂にステージに、オービタルフィルポール兄弟が電飾メガネを装着し登場!会場内が大歓声に包まれ、1曲目の「One Big Moment」の楽曲がスタート!キラキラと輝きを放つメロディーが流れだす。

この恍惚とするような、エレクトロ・サウンドは、オービタルだけが、創りだせるのだ。「これだ!これが、オービタルだ!」と心で呟きながら、時折、やってくる重低音のバランスの見事さを堪能し、強い安定感を感じる。「Halcyon」ベリンダ・ カーライル「Heaven Is a Place on Earth」をサンプリングした楽曲を披露!この「Heaven Is a Place on Earth」サンプリングは、確か2010年のサマソニでも流れたが、「Halcyon」とのサンプリングではなかったはずなので、最近のバージョンなのだと思いながら、次の楽曲「Straight Sun」へと引き継がれていく。不安げな電子音から、徐々に切なさへと変化していく繊細なサウンドで、会場内が強い高揚感で満たされていった。

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(画像提供:metamorphose office/photo by Ryo Nakajima (SyncThings))

それにしても、今回のLIVEセットで驚いたのは、ライティングとVJだ。オービタルのサウンドとバック・スクリーンに映し出される映像が融合し、聴覚と 視覚の両方を刺激!映像は、まるで万華鏡でも覗いているような感覚なのだ。音楽だけでなく、映像に興味がある人にも見て欲しいと思えるくらいの演出だ。

早くも大ベテランの貫禄を感じつつ、ライブの半ば、流れた楽曲は「Never」。最新作『Wonky』の発売前から、プロモビデオで先行公開されていた楽曲である。オービタルの一番得意とするピュアなテクノサウンドだ。どこか懐かしく、キラキラとした電子音に心地よさを覚える。そして過去の名曲 「Belfast」からの「Impact」に不意打ちを食らう。この楽曲を待っていたファンも多く、会場内が大歓声とともに、激しい熱気で覆われていく。 個人的には「Impact」が聴けないライブは、ちょっと想像できない。この楽曲には、そのくらいの存在感があると思っている。

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(画像提供:metamorphose office/photo by 井口忠正)

そして、ライブ後半は、最新作と同タイトルの「Wonky」の演奏が始まった。初めてこの楽曲を生で聴いたが、ライブ栄えするアレンジで、挑戦的なサウンドに魅了されながら「Are we here」のピュアでハッピーなメロディーに心も身体も弾み、さらに「Stringy Acid」や、彼等の代表曲「Chime」の繊細さに心を奪われる。そして、ラストに「Where Is It Going」の疾走感と攻撃性も兼ね備えたナンバーを披露しステージが終了!オービタルハートノル兄弟が笑顔でステージを去っていく。会場内が、大歓声と大きな拍手で包まれていた。終始、幸福感で満たされた貫禄溢れる圧巻のパフォーマンスを体感させてくれた。

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(画像提供:metamorphose office/photo by 井口忠正)

お次は、UKダブ界の奇才、エイドリアン・シャーウッドのステージを観賞するため、Sirius Stageへ移動。しかし、完全にオービタルで舞い上がりすぎてしまった筆者。自身の身体に筋肉痛が進行し始めていた。ぎこちない歩き方で、Sirius Stageに到着。ギリギリで、エイドリアン・シャーウッドのプレイに間に合う。

Sirius Stageは、どこか時間の流れが、Jupiter Stageとは違ってみえた。それはきっと、エイドリアン・シャーウッドのサウンドがそうさせたのだ。UKレゲエ、ダブ・レーベル、ON-U SOUND主宰でもある彼は、80年代のUKミュージックシーンに多大な影響を与えた人物である。以前、「ダブって何?」と聞かれて、詳しい知人と議論してみたが、結局「聴いてみないとわからないよね?」という結論になったのを思い出しながら、彼のプレイに酔いしれる。

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(画像提供:metamorphose office/photo by 井口忠正)

ダブが持つ特徴的な緩いテンポに、オーディエンスがゆらゆらとゆったり、リズムに合せて踊り出す。レゲエの要素に、ジャズサウンドをミックスして、そこにダブの重低音を重ね合わせ、ビリビリと適度に振動させ、不思議な空間を創り上げていた。しばらく、まったりとタブサウンドを満喫。本当は最後まで、ダブサウンドを堪能したいところであったが、ザ・フレーミング・リップスのステージのライブを観賞するため、Jupiter Stageへと移動。

83年から活動している、大ベテランのオルタナティヴ・ロックバンド。長期に亘るインディーズからのリリースを経て、92年にメジャー・デビューを果たす。商業性よりも、実験的な音楽に挑戦し続け、2003年にはグラミー賞の「ベスト・ロック・インストゥメンタル・パフォーマンス賞」を受賞し、ミュージシャンやメディアからの評価も高いバンドである。

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(画像提供:metamorphose office/photo by 井口忠正)

会場内に入場すると、オーディエンスの大歓声と、ステージにあるアーチ型のバック・スクリーンに映し出される映像が、強烈な印象を放つ。そして「What Is the Light?」の演奏が始まり、アーチ型のバック・スクリーンに歌詞が白い文字で映し出され、オーディエンスが、それに合わせて歌い上げる。スローテンポのリズムとグルーヴィーで、オーケストラの要素も感じさせるサウンドで、優しくじわりと心に響いてくる名曲だ。それから「The Observer」という、力強くて切ないギターサウンドに陶酔してしまった。

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(画像提供:metamorphose office/photo by 井口忠正)

ラストは「Do You Realize??」を披露!演奏の前に、ボーカルのウェインオーディエンスへ挨拶してから、演奏が始められたが、ウェイン「カモン!カモン!カモン!」とオーディエンスを煽る姿が、なんとも微笑ましかった。そして冒頭の「Do You Realize~」とゆっくり、気持ちをため込むように歌い上げると、アーチ型のバック・スクリーンに「1,2,3,4」のカウントが表示され、ステージの 両サイドから大量の紙吹雪が舞い上がり、キラキラと輝きながら、会場中に降り注ぐ。会場内が大歓声で包まれ、ステージに向かって皆が両手を上げていた。胸に迫るような切なさと、同時に幸福感に浸れるサウンドでラストを飾ってくれた。ステージから、メンバーが去ったあとも、会場中から、アンコールを煽る拍手が鳴り止まなかった。実際、アンコールはなかったが、それに応えるようにウェインが、何度もステージに登場し、オーディエンスに丁寧にお礼をして、ステージを降りていった。

ここで、Jupiter Stageでのライブアクトは、全て終了し、Sirius Stageへと向う。Sirius Stageはオールナイト公演。デトロイトの重鎮デリック・メイのDJプレイも気になったのだが、オービタルから、休憩なしでステージを観賞していたため、さすがに体力も尽きてきた。今回、AM1:50~4:20の予定で、ダレンティムの、3時間弱のDJ師弟対決も控えているため、休息をとることにした。

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(画像提供:metamorphose office/photo by 井口忠正)

それぞれ、会場の床に寝ころんでいる人もいれば、踊っている人、会場内の外廊下のフロアにある、休憩スペースで休んでいる人もいた。一旦、会場の外廊下の椅子に座って、食事と仮眠をとろうと思ったが、思うように眠れず、再びSirius Stageへ入場!デリック・メイが、デトロイト・サウンドでフロアを興奮させていた。この時、となりのHMVのブースでサイン会が行われており、先ほどヘッド・ライナーを務めた、リップスウェインが、ファンのサインに応じていたが、遠くで見ても、近くで見ても、彼のヘアスタイルはモジャモジャであった。

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(画像提供:metamorphose office/photo by 井口忠正)

筋肉痛も酷くなってしまい、こまめに休憩を入れながら過ごす。そして、予定時間を30分ほど過ぎたころ、ようやくSirius Stageダレンティムが登場!彼等のDJ対決を待ち望んでいた人も多く、会場内から拍手と歓声が沸き上がる。ご存じ、元アンダー・ワールドのメンバーで、名曲「Born Slippy」の生みの親であるダレン・エマーソンと、ティム・デラックスのDJ師弟対決だ。ティムは、自主レーベルで作品をリリースしていた時に、ダレンに見出され、ダレンが主宰するレーベルUnderwater Recordsから作品をリリースし、その翌年に「I Just Won’t Do」が世界中で大ヒット!そんな師弟関係の2人がDJプレイを披露してくれるというわけだが、DJプレイ開始から、特にティムのテンションが高く、はしゃぎながらプレイをする。それを優しく見守りながら、きっちり仕事をするダレン

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(画像提供:metamorphose office/photo by 井口忠正)

しかし、3時間ほどの長丁場のため、途中でティムがバックステージに戻るなど、かなり自由な雰囲気で進行していく。ティムがいない間も、ダレン師匠が会場内を盛り上げる。対決というより、2人とも仲良くDJプレイをしていて、観ているこっちまで、ハッピーな気持ちになるほど、2人が、息の合ったDJプレイを見せつける。

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(画像提供:metamorphose office/photo by 青木勇策)

そして、ティム「Freedom」をプレイした後、ダレン「Dark&Long」を速攻でプレイしたのも印象的だった。ダレンのDJを観たのは、本当に久しぶりであったが、大ベテランの安定したプレイに、素直に身を任せ楽しむことが出来た。そして、流れるようにテクノとハウスのサウンドでDJ対決が続けられ、3時間ほどのDJ対決が終了!オーディエンスの拍手と歓声に包まれて、ダレンティムがステージを降りて行った。

それにしても、オービタルリップスといい、大ベテラン勢の熟練したパフォーマンスを、一夜にして堪能することが出来た。幕張の美しい朝焼けと、心地いい疲労感を感じながら、幕張メッセを後にした。

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