一般流通では手に入らない貴重な音源
2011年は音源の発表がなかったおおはた雄一。2年ぶりの音源は、ボブ・ディランのカヴァー・アルバム『おおはた雄一 ボブ・ディランを訳して歌う』だ。このアルバムは、一般的な流通は行わず、ライヴ会場と全国6店舗の限定販売となっている。店舗の所在地は東京、大阪、島根、高知、静岡のみとなり、店舗での購入は難しい状況ではあるが、ライヴでは毎年全国各地を回るので、ライヴ会場での購入の方はチャンスがありそうだ。
(画像はおおはた雄一 official siteより)
アルバムに収録されているのは、3曲。ボブの曲では1、2を争う名曲“Like a Rolling Stone”、おおはた自身のライヴはもちろん、サポートとして参加したハナレグミのライヴでも演奏し、カヴァー・アルバム『SMALL TOWN TALK』にも収録された“Don’t Think Twice,It’s All Right”、そして忌野清志郎もカヴァーした“I Shall Be Released”。3曲ともおおはた自身が日本語に訳しており、彼が選択する言葉には独特の感覚がある。ボブの曲とおおはたが選んだ言葉が起こす化学反応を確認できるのは、このアルバムとライヴ会場だけだ。
今年も大型フェスに出演
2012年6月は、芳垣安洋率いるオルケスタ・リブレとの共演をはじめ、畠山美由紀と笹子重治の3人で回る東北ライヴ・ツアー、おおはた自身が主催するイヴェント『キチムの12か月』とスケジュールはきっちり埋まっている。7月にはフジロック、8月にはライジング・サンと大規模フェスにも出演が決定し、例年通りライヴ三昧の姿勢は今年も貫かれている。
大きな野外のステージで聴くボブ・ディランのカヴァーは、これ以上ない酒の肴となりそうだ。
(松本 良太)
おおはた雄一 official site