2012年リリース
ドラマティックとファンタジー、両方を兼ね備えたバンド。このアルバムを聴いたときの第一印象だ。地上波の朝の情報番組でも紹介されるなど、バンド・メンバーそれぞれが2つ以上の楽器をこなすことが話題となっているが、彼らの真骨頂はその個性的な曲の幻想性にある。
(画像はAmazonより)
音源で確認できるバンド・アンサンブルは、ドラマティックで爆発力がある。そこにファンタジーをプラスしているのは、メロディーだ。メロディーを担当するのはヴォーカルであり、ナカノシンイチの声そのものも幻想性がある。メロディーはほぼ一貫したスピードを維持しているのに対し、バンド・アンサンブルは効果的に緩急をつけている。メロディーを軸に据え、アンサンブルで波を作る。特に優しく、時に荒波のように姿を変え、波の上をサーフィンのように捌くヴォーカル。この関係性はライヴにも顕著に表れる。
先日行われたSAKAE SP-RING 2012でのライヴは、これまでのフロアの反応とは明らかに違っていた。彼らの持つドラマティック性、幻想性、爆発力が、フロアにまっすぐ突き刺さった瞬間を、当日の観客だけが知っている。
(松本 良太)
収録曲
1. セントエルモ
2. 神様のすみか
3. クロックワイズ
4. ねこと笑うノスタルジア
5. イミテーションブルー
6. -Interlude-
7. イロドリの種
Applicat Spectra