7月28日(土)FUJI ROCK FESTIVAL’12
日本を代表する野外ロック・フェスティバル、
フジロック・フェスティバル’12が、7月27日(金)、28日(土)、29日(日)に新潟県湯沢町苗場スキー場にて3日間開催。今回は、2日目、7月28日(土)のライブレポートをお届け!
(画像提供:FRF'12事務局/photo by Yasuyuki Kasagi)
フジロック2日目は、ブルックリン出身の5ピースバンド、
マイ・ベスト・フィーンドを観賞するため、
RED MARQUEEへやってきた。あの
ワープと契約した新人バンドという事もあって、やはり、観賞しておきたいアーティストの1組であった。場内の気温が上昇していくのを感じていた。
開演時間を迎え、メンバーの
クリス・リンドブレード(Rhodes Piano)と、
フレデリック・コールドウェル(Vo/Get)、
ジョセフ・ノール(Dr)と、
ポール・ジェンキンス(Key)、
コールドウェルの幼馴染でハードコアバンド、
ジ・エクスプロージョンでも活躍していたベースの
ダミアン・ジェヌアルディの5人が登場!ライブ冒頭は、デビューアルバム
『In Ghostlike Fading』から
「Higher Palms」を披露!深くて儚いギターサウンドにまったりと癒されていく。ボーカルの
コールドウェルの歌声が、音源で聴くよりも力強いことに驚きを隠せなかった。
明るい時間帯ではあるが、ゆったりとした雰囲気が漂いだす。続いて、未発表音源も演奏され、独特の気だるいメロディーに引き込まれていきながら、
「In Ghostlike Fading」の切ないスローナンバーに熱く心を打たれ、歪んだギター音が体に沁み渡る。ラストは
「ODVIP」の演奏が流れ始めると、自然に
オーディエンスから手拍子が沸き起こる。煌びやかなローズ・ピアノと響き渡るギターサウンドに夢中になっていた。もう少しだけ、音に酔いたい気分だったが、メンバーがファンに向かってバックを投げ入れプレゼント!緩やかな空気感の余韻を残し、メンバーがステージを去っていった。
さて、お次のステージは、2009年UK北部に位置する海辺にあるリゾート地モアカムにて結成された、4人組ロック・バンド、
ザ・ハートブレイクス。
マシュー・ホワイトハウス(23歳/Vo/Gt)、
ジョセフ・コンドラス(22歳/Dr)、
ライアン・ウォレス(23歳/Gt)、
クリス・ディーキン(25歳/Ba)という、フレッシュ炸裂と言わんばかりの若手バンドだが、UKメディアも大絶賛!フロントマンの
マシューは、そのルックスからデビュー前にも関わらず、
バーバリー(2011A/Wコレクション)のモデルとして大抜擢されたり、
元ザ・リバティーンズの
カール・バラーなどから、お褒め言葉を頂いたりと、超話題のニュー・カマーである。
RED MARQUEEには、その
マシューの活躍からなのか、大勢のファンが駆け付けていた。
オーディエンスからの期待感が自然と伝わってくる。そして、ステージにメンバーが登場し、フロントマンの
マシューが
「フジロック~。ハートブレイクスです!」と挨拶し、1stアルバム
『FUNTIMES』から
「SAVE OUR SOULS」の演奏がスタート!爽快で流れるようなメロディーが場内に蔓延!1曲目から、正統派UKロックサウンドと
マシューのよく通る歌声に心地よさを覚え、直球で素直なリズムに虜になってしまった。その後も、アルバム収録曲の
「Hand On Heart」や
「POLLY」なども披露!
オーディエンスがリズムに乗って体を弾ませる。そして、今回のハイライト
「Delay, Delay」では、鮮やかなレッドのライティングと、素直でポップなメロディーに最後まで、身も心も躍り出す
オーディエンスの姿があった。英国の音楽事情が冷え切っている今だからこそ、こういったストレートな音楽性が大切だと思えたステージであった。
(画像提供:FRF'12事務局/photo by Yasuyuki Kasagi)
RED MARQUEEを後にして、急いで
GREEN STAGEへと向かう。2日目のヘッド・ライナーの
ノエル・ギャラガーズ・ハイ・ フライング・バーズを観賞するためだ。そして
GREEN STAGEの最前列付近に向かったが、既に最前列は、
オーディエンスで埋め尽くされていた。しばらくしてから、イギリス、ロックのレジェンド、
レイ・デイヴィス&バンドのステージが始まった。
レイ・デイヴィスは、60年代を代表するイギリスのロック・バンド、
キンクスのフロントマンを務めた。今回バンドメンバーを引き連れ、少し遅めに登場した
レイ・デイヴィス。黒いスーツ姿に大御所の風格を感じながら、ライブ前半に披露された楽曲、
「I'm Not Like Everybody Else」には、感動が込み上げ、一緒に口ずさんでしまった。そして、68歳とは思えないほどアグレッシヴに、ステージ上を動き回りギターを持ちながらジャンプをしていた。特に
「You Really Got Me」の演奏時のパワフルさには、圧倒させられてしまった。
次のステージが始まる間、
GREEN STAGEの両端にあるスクリーンに、ロンドン・オリンピックの開幕式の映像が流れ、
ポール・マッカートニーが、
ビートルズの名曲
「Hey Jude」のピアノ演奏する姿が映し出されていた。これには場内にいた
オーディエンスからも大歓声が上がり、場内が一体となり揃って
「Hey Jude」を大合唱するのであった。
(画像提供:FRF'12事務局/photo by Yasuyuki Kasagi)
辺りも暗くなり、
スペシャルズのステージが始まる。最前列付近だったのもあり、覚悟はしていたが、1曲目、代表曲である
「Do The Dog」が流れだすと、モッシュの嵐に巻き込まれてしまった。そのまま、モッシュの嵐に身を任せていると、最前列にいた人から
「スペシャルズ終わった後、前に来ませんか?」という有難い言葉を頂く。後半、さらに白熱するモッシュの嵐に必死に耐え続けながら、
「Little Bitch」の演奏がスタートすると、
「ワンツー!」というところを、
「いちにー!」と日本語に変えて披露する場面など、終始テンションの高いパフォーマンスを見せつけていた。
スペシャルズ終了後、最前列へ移動!今年は
ノエルのステージを単独公演で2度観賞している。この
フジロックも含めると今年で3度目。昨日の
リアムは、
オアシスの楽曲を披露し場内が大興奮状態となっていたが、なんだか、
オアシスの曲を2日間に分けて聴くという複雑な心境もなくはない。しかし、当分再結成がないのなら、
オアシスの楽曲を
リアムにも、
ノエルにも歌い続けて欲しいなと強く願うばかりだ。
(画像提供:FRF'12事務局/photo by Yasuyuki Kasagi)
周囲から、
「ノエル~!」という歓声が上がりだし、徐々にその歓声が力強くなっていく。昨日と同様、超満員の
GREEN STAGEは熱気と興奮が入り混じっていた。遂に、開演時間となり、
ノエル・ギャラガーとバンドメンバーが登場! 4万人クラスで
ノエルのステージを観賞するのも最前列で観るのも今回が初めてだった。轟音のような大歓声が響く中、1曲目は
「(It’s Good) To Be Free」が披露された。
この時、今回も同じセットリストで進行されると予想はついたが、やはり何回聴いても
ノエルのサウンドは色褪せない。アコギを抱え、熱唱する
ノエルの姿に、皆が釘付けとなっていた。そして
「Mucky Fingers」などを挟み、
オーディエンスの温度も加速していく中、
ノエルがファンの女性に向かって
「そんなに叫んでるのは俺と結婚でもしたいからか?」と話しかける。女性ファンは、
「結婚したい!」と即答!それに対して
「俺はもう結婚してるけど、二番目のワイフになるか?」と答える。その答えに泣き出した女性に対して、ノエルが
「Don't cry, next song is Freaky Teeth」と伝え、
「Freaky Teeth」をヘヴィーに歌い上げていた。
(画像提供:FRF'12事務局/photo by Yasuyuki Kasagi)
その後、
オアシスの名曲
「Supersonic」の演奏が始まった。アコギとピアノの音と強力な
ノエルの歌声に癒される。曲の途中、フライングで歌い出した
オーディエンスに向かって焦らす
ノエル。場内が穏やかな雰囲気に包まれていく。
ラストは、
「(Stranded On) The Wrong Beach」が演奏され、一旦、ステージを下りる
ノエルとメンバー。もちろん、これで終わるはずもなく、場内にアンコールを煽る歓声と拍手が響き渡る。数分後、再び
ノエルとバンドメンバーがステージに登場!
「Whatever」→
「Little By Little」→
「Don’t Look Back In Anger」と、怒涛の
オアシスナンバーを惜しげもなく披露!今迄に体感したことがない規模での大合唱に、感極まる思いで満たされていた。
オーディエンスから大歓声が上がり続ける中、
ノエルがステージを去り、2日目
GREEN STAGEでの公演が終了した。
【記事:オトさがライター・成田 早那】

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