
向井秀徳率いるZAZEN BOYSが9月5日に4年ぶりとなる最新アルバム『すとーりーず』をリリースした。「最新作が常に最高作」というのはアーティストなら誰もがそうありたいと願う理想形だが、ZAZEN BOYSの新作アルバムはまさに彼らの最高傑作と言える内容となっている。
ZAZEN BOYS / すとーりーず
1. サイボーグのオバケ / 2. ポテトサラダ / 3. はあとぶれいく / 4. 破裂音の朝 / 5. 電球 / 6. 気がつけばミッドナイト / 7. 暗黒屋 / 8. サンドペーパーざらざら / 9. 泥沼 / 10. すとーりーず / 11. 天狗
(画像はAmazon.co.jpより)
クールな電子音を取り入れた先鋭的ファンクサウンド
前作『ZAZEN BOYS4』では、『3』の頃から取り入れ始めたエレクトロダンスミュージックの色合いが濃くなり、ナンバーガール後期から顕著だった変拍子と鋭利なギターリフが特徴的なファンクロックがやや鳴りを潜めた感があった。
しかし、今作ではそのエレクトロダンスミュージック路線と変則ビートの鋭角なファンクサウンドをよりうまく融合し、見事にZAZEN BOYS流ロックへと昇華。3曲目の「はあとぶれいく」は、比較的前作の路線を踏襲した耳障りのよいポップな感触だが、他の収録曲では、キレッキレのギターリフやドッタンバッタンの変則ファンクビートが打ち鳴らされ、個性的なナンバーが並んでいる。
“とっつきやすさ”を身にまといつつも、ZAZEN BOYSサウンドとしか言いようのない先鋭的な音と、相変わらずの向井秀徳独特の言葉の世界を展開してみせた彼らの新作。やはりZAZEN BOYSは日本のロックの急進派として孤高の道を歩んでいると改めて感じさせる充実作である。
「soundocloud」に公開されている新作収録曲『ポテトサラダ』向井秀徳「MATSURI STUDIO」オフィシャルサイト