携帯サイズのハンディービデオレコーダー
今回注目したいハンディービデオレコーダーは、ZOOMから発売された携帯電話サイズのZOOM Handy Video Recorder Q3HDだ。
動画像数もHD1080と高精度。SNS等の動画サイトにも簡単にアップロードできる機能、付属のSDカードで録画最大30分。別売りの32Gのカードでなんと7時間の録画が可能という優れものである。簡単な編集なら小さなボディーに収められた編集機能で仕上げられる。今回はその特筆すべき録音機能について掘り下げてみたいと思う。
音が割れない録音機能?
このハンディービデオレコーダーは手軽に録画録音できるという機能は当然のことながら、注目すべき点を列挙してみよう。
結婚式やパーティーのイベントなどを録画してパソコンやテレビで愉しむのはもはや当たり前。最近ではYouTube等、動画サイトに自分の演奏やパフォーマンスをアップロードしたいと考える人が多い。何か急に思いついてスタンドを立ててカメラを設置して撮ってみたものの、音が小さすぎたり逆に音が歪んだり(割れたり)して折角のパフォーマンスもクオリティーの半減がネックとなっている。実際動画サイトで音が悪かったり小さすぎる音だと最後まで見る気はしないものだ。
ZOOM Handy Video Recorder Q3HDの優れている点は最大耐音圧レベル130dbと大きくとっている点である。通常大音量のロックコンサートでも120dbと言われている。実際のコンサートなどで使用するプロフェッショナルマイクの最大耐音圧レベルが135dbぐらいであるから、全く問題の無いレベルでクリアする。このマイクで音が歪む前に人間がその音場には耐えられないだろう。
音の再現に必要な定位感
ビデオカメラの録画の音に不満がある方に特に伝えたい特徴は、そのマイク構造にある。集音マイクの振動板の軸を同一線上に置くことによって左右のマイクの音源との時間のずれをなくしているのだ。
例えば自分より左に居るプレーヤーの出す音は摂氏20度の空間で346.18m/sの速度で飛んでくるが、マイクを左右に離していると到達する時間が違う。高級測定装置より優れた人間の耳はそのずれた感じを見逃すことはなく、それで楽器の定位がぼやけてしまうのだ。残響の多いところで人の声が何処から聞こえるか解らない現象に遭遇したことがあるだろう。それは、ずれて到達する音で情報が混乱し音源の位置を特定できないからである。最近ではi-Pod等で音声を再生する機会が多いと思うがヘッドフォンで聞くと部屋の反射の影響を受けないために定位感は特に気になるところである。
マスタリング機能
この小さなボディーに秘められた特筆すべき点、それはマスタリング機能である。マスタリング?と思われる方もいるだろう。マスタリングとは音楽などの作品の質を向上させるための機能である。レコーディングの最終段階の仕上げだと考えていただけたらよい。かつてはプロフェッショナルなマスタリングソフトでしか使われていなかった機能を搭載している。大きい音はそのままに小さい音も聞こえるように、レベルをあげて平均化するノーマライズ機能。(プロ用デジタルレコーディング&ミキシング画面)
空間を大きく感じさせたり声や音に響きを加えるためのリバーブ機能などが簡単に編集できるようになっている24bit/96khzという音声データの内部処理は、プロフェッショナルのレコーディングで使われる高精度なPCMリニア録音。ちなみに売っているCD作品は16bit/44.1khzなので、その高精度は一目瞭然いや一聴瞭然である。
プロも舌を巻く映像作品
映像と音の定位がはじめて合致したときにプロも舌を巻くリアルで素晴らしい映像作品が出来上がる。スピルバーグ作品やパイレーツオブカリビアン等のディズニー作品に共通するのはこういった音へのこだわりがあるからである。ZOOM Handy Video Recorder Q3HDで皆さんも音の良いコンサートやパフォーマンス作品を撮られては如何だろうか?
ZOOM Handy Video Recorder Q3HD